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             藤原 知 先生(ふじわら・さとる・医博)

                                                   Satoru FUJIWARA,Ph.D.(Medical),D.D.S.           

経歴

1932年 兵庫県洲本市に生まれる

1955年 大阪歯科大学卒業 歯科医師免許受領

1961年 医学博士(大阪市立大学医学部研修科終了)

1971年 大阪市立大学医学部講師

1973年 大阪市立大学医学部助教授

       (解剖組織学、口腔解剖学、形質人類学、経穴解剖学)

1985年 退官

1985年 藤原歯科医院開設

2007年 藤原歯科医院閉院、退職

2017年 5月14日、肺炎のため逝去。行年86歳。

      葬儀は大阪・北斎場にて近親者のみで挙行されました。

 

著書

「経絡の発見」 創元社

「体表解剖学」「運動解剖学」「人体解剖学序説」

「鍼灸医学試論」「鍼灸医学概論」 医歯薬出版

「古典医学とその周辺」 たにぐち書店

「解剖学知識のまとめ」 医道の日本社

「伝統医学の諸問題」 伝統医学新人の会

 

出自

・藤原歯科クリニック2代目「鉄夫」の長男として兵庫県

洲本市に生まれる(1932)

・初代「正哉」は歯科医師免許受領後、現在の大阪歯科

大学の源流の一つである「大阪歯科医学教授所」を

開設した日本歯科医学史に名を刻んだ人であり、

日本の歯科近代化の畑を耕したパイオニアであった。

二代目「鉄夫」は市井の歯科医師として終始した。

・三代目は「知」が継ぐことになり、四代目のご子息二人は、

ともに大学教授となった。

学歴・職歴の仔細

・大阪歯科大学卒業、歯科医師免許受領(1955年)

・大阪市立医科大学(現大阪市立大学医学部)に在籍、研究生、

助手、講師を経て助教授(1973年)

・医学博士(1961年、大阪市立大学)の称号を受ける。

・大阪市在外研究員としてニュージーランドに出張。

オークランド大学・オタゴ大学でポリネシア人の人類学的研究

に従事(1975年から1年間)

・パラメディカルスタッフ(鍼灸師・理学療法士・作業療法士・

 看護師・歯科衛生士など)の教育を意識し教本を世に問う。

「体表解剖学」「運動解剖学」「人体解剖学序説」

「リハビリ知識の整理(分担執筆)」医歯薬出版

・パラメディカルの抱く諸問題について積極的発言をする。

 

主たる研究分野の業績

・神経組織学的、並びに組織化学的研究

 主に赤毛ザルの腎臓並びにゴールデンハムスターとヒトの三叉神経節をめぐって

・古代人骨(歯牙を含む)についての形質人類学的研究

 高松塚出土人骨の歯牙についての私の論考

 「考古学論改」(奈良県立橿原考古学研究所編)

・東洋医学とりわけ鍼灸医学の近代化を見据えての論述

 「鍼灸医学試論(1976年)」「鍼灸医学概論(1982年)」 医歯薬出版

 他に、「東洋医学」誌、「経絡治療」誌、特に「鍼灸医学(東方会)」「医道の日本」誌

 に多数の論考等がある。

 鍼灸著名人多数と交流。

 代田賞奨励賞受賞(1984年)

 

・ボンハン学説に関する経緯・業績

ボンハン学説は1960年初頭に朝鮮民主主義共和国、キム・ボンハン博士が発表した経穴経絡の器質説(解剖組織学的実体があるという説)。サンアル学説という生体の自己更新説をも含む東洋医学の現代医学的研究。

本邦斯界に話題と感動を呼び、その後一転、自国で否定された。

学説の追試研究の先頭に立ち、具体的記載のない学説を試行錯誤の末、成果を得る。その公開追試、論説発表等

行い、これを斯界の現代派と古典派の双方が承認する鍼灸の現代医学的根拠とせんと奔走。鍼灸師の行うべき追試は肯定的結果が出ず、本邦医学界は黙殺的否定的、追試は立ち消えとなった。始終の中心人物であった。

 

1967年 「キム・ボンハン学説に関する形態学的研究(中間報告)」発表

       兪順奉・藤原知(医学のあゆみー医歯薬出版)

1966~1967年 「ボンハン学説入門」(医道の日本1~7及び最終回)

1967年 「経絡の発見」(創元社発刊)

1966年 東京12チャンネル-未知への挑戦シリーズ「経穴(ツボ)の秘密」(10月放映)

      その監修とボンハン絡剖出の映像、表層ボンハン小体の写真等を公開。

2004年 韓国研究者(現ソウル国立大学名誉教授)が面談希望。来日時、資料提供。向後の進展を託す。

2005年 国際生命情報科学会シンポジウム(東京電機大学)

      40年の時を経て、ボンハン学説再検討のため出席。表彰。

         当時のテレビドキュメンタリー「ツボの秘密」再公開。経穴の実体に関する討論会。

      韓国研究者の追試発表。

2010年 韓国東洋医学エキスポ及びプリモ脈管系研究に関する国際シンポジウムに招待され

      祝辞・スピーチ。

2011年 私の経絡研究追憶の記(医道の日本)発表。

                                     以上

                                        合掌

                                                                        2018年1月

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